親知らず 抜いた方がいいのかな?
歯科医師が親知らず(第3大臼歯)の抜歯を勧める場合、①親知らずが隣の歯に悪さをしている ②親知らず自体が病気の原因なっているなどのためです。患者様は特に痛いがあるわけでもなく、不便を感じてなくても、パノラマレントゲン(お口全体のレントゲン)やお口の中を診ると、親知らずが見えないところで悪さをしそうだ、将来的に悪さをしそうだと判断する場合があります。
ちなみに、親知らずは、第3大臼歯と呼ばれ、3番目に生えてくる大臼歯です。20歳前後で生えてくる歯ですが、小さい頃と違い、親がチェックする年齢でもないため、親が知らないうちに生えてくるということで親知らずです。親知らずは生えずに歯茎に埋もれたままになることも多いため、一般的に一番奥の歯は、第2大臼歯ということになります。
現代では顎が小さい方が増えて、親知らずが半分埋もれて生えている(半埋伏)や傾いて生えている方が多くなっています。歯肉の中で真っすぐに生えている分には問題ありませんが、咀嚼の機能を持たない親知らずは虫歯の原因になったり、歯茎に炎症を起こしたり、歯並びから全身の健康にも悪影響を及ぼすこともあります。
例①)隣の歯を虫歯にしている
親知らずが、傾いて生えている場合、第2大臼歯とぶつかり、歯と歯の間で虫歯が発生しやすくなります。奥歯ですので、歯磨きが届きずらく、食べかすが残りやすいため虫歯リスクが高い場所でもあります。第2大臼歯は咀嚼に大変影響を与える歯ですので一番大切と言っても過言ではなく、たとえ虫歯治療をしたとしても再度虫歯になるリスクも高い場所でもあります。
例②)歯並びに悪影響を及ぼしている
親知らずが横に倒れて存在している場合、第2大臼歯を押すことがあります。顎に親知らずが生えるスペースがなく、行き場がない親知らずが第2大臼歯を押してしまうためです。将来的に第2大臼歯から第1大臼歯とどんどん押し続ける可能性もあり、歯並びに悪影響を及ぼします。
例③)第2大臼歯の根を吸収する
親知らずが第2大臼歯の根にぶつかり、第2大臼歯の根を吸収してしまうことがあります。レントゲンを見ればすぐに発見できるのですが、患者さんに症状がなく、たまたま訪れた定期検診で発見されることも少なくありません。根の吸収が小さければ、早めに親知らずを抜歯する方がいいでしょう。
例④)歯茎に炎症を起こしている
親知らずが半埋伏の状態になっていると、歯茎で炎症を起こしたり、腫れ、出血を起こすことがあります。これも一種の歯周病です。お薬で炎症を抑えることができても一時的な処置になりますので、根本治療は、親知らずの抜歯が望ましいです。
親知らずが関連している歯周病を智歯周囲炎と呼びますが、親知らずの位置が咀嚼筋や咽頭、頸部に近いことから細菌感染が顎の骨や顔面、首へと広がることがあります。炎症がひどくなると骨髄炎や蜂窩織炎になることも。歯だけの問題でなく、体へも影響が起こりうるので、早めの抜歯をお勧めします。
虫歯や歯周病には無縁と、歯科医院にお越しになったことがない方も現代では増えているため、親知らずなどの問題は気づきずらいかもしれません。歯自体に問題がなくても、レントゲンを撮ってみると問題が隠れていたりする可能性もありませんので、是非南越谷 市川歯科・矯正歯科に検診にお越しください。